死ぬ日が来るまで

生きることに疲れました。希望のない日々の記録です。

昔を懐かしむ

昔を懐かしむようになったら、老人になったのだというけれど、確かにそのとおりかもしれない。
最近、やたらと昔のことが懐かしく思い出される。
美しい夕焼け、天の川、黄昏時に漂う薪の燃える匂い。
便利な生活を手に入れたのと引き換えに失ったものがたくさんある。

 


ほかに何も要らないから、あの頃の一日に戻れたらと思う。
それは勿論叶わぬ夢である。
せめて一年でいいから、あの生まれ育った町で暮らせたらと思う。
このくらいのわがままなら叶うかもしれない。
もう、昔あった家も、昔近所に住んでいた人たちもなんにも残っていないのだけれどね。

 

 

季節季節に吹く風の匂いは、変わっていないかもしれない。
故郷の町に住んで、昔歩いた道をときどき散歩する。
春には蝶々が、秋にはトンボが、今でも飛んでいるだろうか。

小川は暗渠になってしまい、良く駄菓子を買いに行ったお店はなくなってしまったけれど、父が勤めていた事務所は無人の自動設備になってしまったけれど、毎日一緒に遊んだ友達は、ひとりもいなくなってしまったけれど、故郷の町はそのままの名前で今もあるのだから。